いくつかの処理を一つにまとめる(関数)

プログラムをしていると同じような処理を何度もしたりすることがよくあります。 また、何度も使うというわけではなくても、処理が長くなってくるとどこで何をやっているのかわからなくなったりします。 そういう時に、ひとかたまりの処理を関数としてくくりだし、プログラムを簡単に、そしてわかりやすくできます。

関数

プログラムの関数とは、基本的に次の要素でできています。

  • 関数名
  • 引数(パラメータ)
  • 戻り値/返り血
  • 処理の内容

関数は、関数に渡す引数を変えることで、色々な処理をすることができます。 早速簡単な関数を作ってみましょう。

// a + bを計算して表示する関数
func calc(a: Int, b: Int) {
    print("a + b = " + String(a + b))
    print("a * b = " + String(a * b))
}

// 関数の呼び出し パラメータにはラベルの指定が必要
calc(a: 10, b: 20)
calc(a: 100, b: 1000) 
a + b = 30
a * b = 200
a + b = 1100
a * b = 100000 

関数の基本的な書き方は次のようになります。

func 関数名(パラメータラベル: パラメータの型) {
    関数の処理
} 

関数を利用する(呼び出す)時には、ラベルを指定する必要があります。

関数名(パラメータラベル: 関数に渡すパラメータ) 

関数は、処理結果を呼び出し元に返すこともできます。 この呼び出し元に返すデータを戻り値/返り血と言います。

// 返り血のデータ型を -> データ型 で指定
func line(x: Double, a: Double, b: Double) -> Double {
    // 値を返すには return を使う
    return a * x + b
}

print("(x, y) = (" + String(10.0) + ", " + String(line(x: 10.0, a: 2.0, b: 5.0)) + ")")
print("(x, y) = (" + String(-20.0) + ", " + String(line(x: -20.0, a: 2.0, b: 5.0)) + ")") 
(x, y) = (10.0, 25.0)
(x, y) = (-20.0, -35.0) 

ラベルの省略

パラメータのラベルは、プログラムを読みやすくするためにあります。 例えば、試しに次のような関数を考えてみましょう。

func go(from: String, to: String) -> String {
    return from + "から" + to + "に行きます"
}

print(go(from: "東京", to: "北海道")) 
東京から北海道に行きます 

この例では、関数の呼び出しを、そのまま普通の文章のように読むことがでkます。 このように、ラベルを使うことでプログラムのコードを読みやすくできます。

しかし、わざわざ毎回ラベルを書くのがめんどくさいという意見もあると思います。 そういう場合は、ラベルを省略することができます。

 // 引数の前に _ (アンダースコア)をつけると、呼び出しの時にラベルを省略できる
func line(_ x: Double,_ a: Double,_ b: Double) -> Double {
    // 値を返すには return を使う
    return a * x + b
}

print("(x, y) = (" + String(10.0) + ", " + String(line(10.0, 2.0, 5.0)) + ")")
print("(x, y) = (" + String(-20.0) + ", " + String(line(-20.0, 2.0, 5.0)) + ")"); 

エラーを分析してプログラムを修正しよう

前回、整数と小数を一緒に計算しようとしたらエラーになってしまいました。 実は、Swiftでは異なるデータ型の間の計算はできません。 また、整数と小数を一緒に計算しようとするときに、勝手に整数を小数に変換したりもしません。 データ型をプログラマーが変更する必要があります。エラーの見方を確認しながら、実際にプログラムを修正していきましょう。

前回のプログラムのエラーを確認する

まず、前回のエラーになったプログラムを再確認してみましょう。

var a = 10
var b = 5.5

var sum = a + b

print(sum) 

これをXcodeのプレイグラウンドに打ち込むと、次のようなエラーが画面下に出てくると思います。

Playground execution failed:

error: SwiftTutorial.playground:4:13: error: binary operator '+' cannot be applied to operands of type 'Int' and 'Double'
var sum = a + b
          ~ ^ ~

SwiftTutorial.playground:4:13: note: overloads for '+' exist with these partially matching parameter lists: (Double, Double), (Int, Int), (Int, UnsafeMutablePointer), (Int, UnsafePointer)
var sum = a + b
            ^ 

英語のメッセージが書いてあって、よくわからないと思うかもしれません。 しかし、プログラムで出てくる英語は文法的には難しくないです。 単語には難しい専門用語もあるのですが、調べれば意味はわかります。 takeやgetのような基本的な単語と違って文脈で意味が変わるということもありません。 英語だからと目をそらさずに、google翻訳などを使いながらどんなメッセージなのか確認するようにしましょう。

さて、今回のエラーメッセージですが、3行目以降にエラーの内容が書いてあります。 エラーメッセージの内容を説明すると次のようになります。

Playground execution failed:

       /* エラーの起きているファイル:行:列 */     /* エラーの内容 今回は「2項演算子 '+' は データ型 Int と Dboule には適用できない」という意味 */
error: SwiftTutorial.playground:4:13: error: binary operator '+' cannot be applied to operands of type 'Int' and 'Double'
/* 実際のコードと、ここがエラーだよという表示 */
var sum = a + b
          ~ ^ ~

/* エラーについての備考 
   今回は「'+' のオーバーロードで今回のデータ型に部分的に一致するもののリストは (Double, Double), (Int, Int), ...」というもの 
   要するに、「(Double, Double), (Int, Int), ... というデータ型の組み合わせと間違えてませんか?」ということ*/
SwiftTutorial.playground:4:13: note: overloads for '+' exist with these partially matching parameter lists: (Double, Double), (Int, Int), (Int, UnsafeMutablePointer), (Int, UnsafePointer)
var sum = a + b
            ^ 

特に重要なのは、エラーの起きている場所と、その内容です。 今夏は、「SwiftTutorial.playgroundの4行目でエラーが発生」。 内容は「2項演算子 ‘+’ は データ型 Int と Dboule には適用できない」というものです。 つまり、「’+’は’Int’と’Double’の間では使えないよ」とXcodeに怒られているわけです。 このことから、エラーの原因はa、bのデータ型だということがわかりますね。

それではエラーを修正しよう

エラーの原因がわかったので、次に考えるのはどうやってそのエラーを解決するかです。 基本的には’+’の正しい使い方をネットで調べたりします。 しかし、今回はエラーメッセージの7行目、noteの部分に情報が書いてあります。 「’+’は(Double, Double), (Int, Int), … というデータ型の間でしか使えないよ」という話です。 このように、’+’や’*’といった計算は、同じデータ型の間でしかできないのです。

それでは、プログラムをどのように修正したらいいか考えてみましょう。 選択肢は2つで、「IntのaをDoubleにする」か「DoubleのbをIntにする」です。 しかし、小数を整数にするということは、小数点以下の数値データがなくなってしまうということです。 今回は、データがなくなってしまうのは嫌なので、「IntのaをDoubleにする」修正をしようと思います。 (小数点以下なんてどうでもよければ、「DoubleをInt」でもいいでしょう。どちらを選択するかはプログラム次第です)

var a = 10
var b = 5.5

// a を元にDoubleの数値を作るようにする
var sum = Double(a) + b 

print(sum) 

このように、Double(a)とすることで、aを元にDouble型のデータを作ることができます。 つまり、10を元に10.0という小数のデータを作るわけです。 これで、DoubleとDoubleの計算になるのでエラーにならずに期待した通りの結果になります。

数値と文字列の変換

この、あるデータを元に別の肩のデータを作る(データ型を変換する)というのは、数値間だけの話ではありません。 数値と文字列の間でも可能なのです。

var num = 123.456

// numを元にStringを作る
print("numは" + String(num))

var numStr = "987.654"

// numStrを元にDoubleを作る
// Double(numStr)の後ろには'!'が必要
var sum = num + Double(numStr)!

// sumを元にStringを作る
print("sumは" + String(sum)) 
numは123.456
sumは1111.11

Double→Stringの考え方はInt→Doubleと同じですね。 問題は、10行目のString→Doubleの最後にくっついている‘!'(エクスクラメーションマーク、いわゆるビックリマーク)です。 これは、Javaなどにはない、Swiftなどの比較的新しいプログラミング言語にある機能です。 この’!’については、次回解説したいと思います。

データの種類について知ろう

前回、整数と小数を組み合わせて計算しようとしたところでエラーにになってしまいました。 その原因は、整数と小数という異なるデータの種類の変数の間で計算しようとしたからです。 今回は、データの種類、プログラミング用語でいうデータ型について説明したいと思います。

データ型ってなんだ?

データ型とは、整数や小数、文字列といったデータ(値)の種類のことです。 ブログラミング言語では、このデータ型によってどのような計算(処理)ができるかや、どれくらいの範囲の値を扱うことができるかが決まります。

例えば、 + という計算(処理)は整数では足し算という処理になります。 しかし、同じ + でも、これを文字列に使うと文字列を結合するという違う処理になります。

var num1 = 10
var num2 = 1200
// 整数と整数の間の+の計算は足し算
print(num1 + num2)

var str1 = "This is "
var str2 = "a pen."
// 文字列と文字列の間の+は文字列の結合
print(str1 + str2) 
1210
This is a pen. 

また、同じ整数や小数であっても、表現できる数字の大きさや精度が違うものもあります。

変数にデータ型を指定する

それぞれの変数は、必ずデータ型が決まっています。 今まで、変数を宣言した時に「データ型はコレ」という指定をしていませんでした。 そのような場合にも、実は初期化の値から適切なデータ型が変数に自動で割り当てられいるのです。

変数にデータ型を指定するには、次のように記載します。

var 変数名: データ型

実際にプログラムすると次のようになります。

// num1をint8型の変数として宣言する
var num1:Int8
num1 = 10
print(num1)

// num2をint16型の変数として宣言する
var num2:Int16
num2 = 110
print(num2) 

初期化を同時にすることも可能です。

// num1をint8型の変数として宣言する
var num1:Int8 = 10
print(num1)

// num2をint16型の変数として宣言する
var num2:Int16 = 110
print(num2) 

なお、同じ整数であっても、データ型が違うことに変わりはないので一緒に計算できないことに注意しましょう。

// num1をint8型の変数として宣言する
var num1:Int8 = 10
print(num1)

// num2をint16型の変数として宣言する
var num2:Int16 = 110
print(num2)

// データ型が違うのでエラー
print(num1 + num2) 

データ型を変換する

データ型が違うからといって、計算できないのでは困ってしまいますね。 そのため、あらかじめデータ型を変換する機能が用意されています。 試しに使ってみましょう。


var num1:Int8 = 10
print(num1)

var num2:Int16 = 110
print(num2)

// num2をInt8に変換する
print(num1 + Int8(num2)) 
10
110
120 

最後の Int8(num2) に注目してください。 このようにデータ型の後ろにカッコをつけて、その中に元の変数を入れてあげると、Int8のデータが出来上がります。

ここにも、2つ注意しないといけないポイントがあります。 まず最初のポイントは、この処理はnum2をベースにしてInt8型のデータを新しく作るという処理だということです。 つまり、元のnum2のデータ型がInt16からInt8に変わったわけでないのです。

もう1つのポイントは、データ型が表せる値の範囲に気をつけないといけないということです。 試しに、num2の値を変更してみましょう。

var num1:Int8 = 10
print(num1)

// num2の値を変更するjjjjjj
var num2:Int16 = 120
print(num2)

// 10 + 120 = 130 となり
// Int8で表現できる値を範囲を超えてしまいエラーになる
print(num1 + Int8(num2)) 

このように、データ型の扱える値の範囲を超えてしまうとエラーになってしまいます。 基本的な数値を扱う基本的なデータ型の一覧は、この記事の最後に記載してあります。

数値と文字列の変換

このデータ型の変換は、数値の間だけでしかできないというわけではありません。 数値→文字列や文字列→数値にも変換できます。

var num = 123
var str = "456"

// strをIntに変換して足し算する
print(num + Int(str)!)

// numをStringに変換して文字列をくっつける
print(String(num) + str) 
579
123456 

5行目のInt(str)の後ろに ! がついているのは、Int(str)の結果には必ず何か値があるよということを保証する、という意味です。 コレはオプショナル型をアンラップするということなのですが、この話は長くなってしまうため、別のところで説明したいと思います。

数値を表すデータ型

それでは最後に、基本的な数値を表すデータ型をまとめておきます。

データ型 名前 最小値 最大値
Int 符号付整数 Int64/32と同じ Int64/32と同じ
UInt 符号無し整数 UInt64/32と同じ UInt64/32と同じ
Double 倍精度浮動小数点数
Double 浮動小数点数
Int8 8bit符号付整数 -128 127
UInt8 8bit符号無し整数 0 255
Int16 16bit符号付整数 -32,768 32,767
UInt16 16bit符号無し整数 0 65,535
Int32 32bit符号付整数 -2,147,483,648 2,147,483,647
UInt32 32bit符号無し整数 0 4,294,967,295
Int64 64bit符号付整数 -9,223,372,036,854,775,808 9,223,372,036,854,775,807
UInt64 64bit符号無し整数 0 18,446,744,073,709,551,615

Int/UIntは64bitコンピュータではInt64/UInt64と32bitコンピュータではInt32/UInt32と同じ範囲になります。
また、IntとDoubleはそれぞれ特にデータ型を指定せずに整数/小数で初期化した場合のデフォルトです。

ちなみに、IntはSigned Integer、UIntはUnsigned Integer、FloatはFloat Point Number、DoubleはDouble Precision Float Point Numberの略です。

基本的な計算をしてみよう

コンピュータプログラムのもっとも得意なことと言えば、やはり計算です。 足し算や割り算などの基本的な計算の仕方をみてみましょう。

足し算と引き算

それでは、まずず足し算と引き算をしてみましょう。 足し算と引き算は、それぞれ+の記号を使って計算します。

var a = 239879123
var b = 754372

var sum = a + b
var sub = b - a

print(sum)
print(sub) 
240633495
-239124751 

手で計算しようと思うと、ちょっと戸惑ってしまうようなややこしい計算でも、プログラムであればあっという間に結果がわかります。

このプログラムで注意しないといけないのは、=値を代入するという意味だということです。 それも、必ず右側のモノを左側に代入します。 プログラムでは、特に指定がなければ、右側から左側に、上から下に処理されていきます。 例えば、

var sum = a + b

という行は、次の二つの処理を順番に行なっています。

  1. a + b を計算する
  2. 1(つまり、a + b)の結果をsunに代入する

掛け算と割り算

足し算、引き算とくれば、次は掛け算と割り算ですね。 掛け算の記号は*、割り算は/です。 この2つも同じようにプログラムしてみましょう。

var a = 1234
var b = 561

var mul = a * b
var dev = a / b

print(mul)
print(dev) 
692274
2 

掛け算の結果はいいのですが、割り算の結果がおかしいですね。 1234 / 561 は割り切れなくて、結果は小数になるはずですが、ぴったり2という結果になっています。

このような結果になってしまうのには理由があります。 それは、変数aも変数bも値が整数なので、結果も整数にしかならないためです。 そのため、小数点以下の値が切り捨てされて2という結果になっているのです。 (四捨五入にはならないので注意しましょう)

それでは、結果を小数で正確に表すためにはどうしたらいいのかというと、aとbの値を小数にしてあげればOKです。

var a = 1234.0
var b = 561.0

var mul = a * b
var dev = a / b

print(mul)
print(dev) 
692274.0
2.19964349376114 

aとbに代入している数字の後ろに.0をつけて、値が整数ではなく、小数であることを明確にしました。 これで、割り算の結果が小数点以下まで表示されるようになりました。 割り算の結果だけでなく、掛け算の結果の最後にも.0がついて小数になっていることに注意しましょう。

なおプログラムの世界には、分数、というものはありません。 基本的には小数を使います。 1 / 3 のような小数にすると無限に続くようなものはどうなるのかと思われるかもしれませんが、あるところまで小数で表現して、残りは切り捨てられます。

整数と小数を混ぜるとどうなる?

直感的には、整数と小数を一緒に混ぜて計算しても、どちらも数値なので問題なく計算できるような気がします。 実際にプログラムしてみましょう。

var a = 10
var b = 5.5

var sum = a + b

print(sum) 

すると、今まで計算結果が表示されていたウィンドウになにやら小難しい英語が表示されて、15.5のような数字は表示されません。 これは、整数と小数という異なるデータ型の変数を使って計算しているために、エラーが発生している状態になっているということです。 計算結果の代わりにいろいろ書いてある英語は、どんなエラーが怒っているかを表したエラーメッセージです。

データ型とエラーの解決方法については次回の記事で解説したいと思います。

プログラムの中身を見てみよう

前回の記事のプログラムの機能や構造を説明します。Hello Playgroundのプログラムは次のようなものでした。

//: Playground - noun: a place where people can play

import UIKit

var str = "Hello, playground"

print(str) 

このたった数行のプログラムには、とても重要な要素がいくつも含まれています。その基本的な要素は以下のようなものがあります。

  1. コメント
  2. ライブラリのインポート
  3. 変数の宣言
  4. 文字列
  5. 関数の呼び出し

それでは、この4つの要素を見ていきましょう。

コメント

まずはプログラムの1行目に注目しましょう。

//: Playground - noun: a place where people can play 

 これは、「コメント」です。「コメント」は、プログラム内にそのプログラムについての説明や作成者、著作権についてなど、様々なコメントを記入する機能です。「コメント」はプログラム本体の動きそのものには関係ありません。実際にプログラムが処理される際には、「コメント」の部分は完全に無視されます。Swiftには2種類の「コメント」の書き方があります。

// の後、その行の最後までがコメント
/* これで囲まれている部分がコメント
   複数行になっていてもOK */

「コメント」はプログラムが処理される時に無視されるので、プログラムの一部を試しに無効にしてみたり、少し変更して見たりする時にも利用できます。これを「コメントアウト」と言います。

//: Playground - noun: a place where people can play

import UIKit

/* 試しに Hello, playground ではなく
         Change str        にしてみる */
var str = "Change str" // "Hello, playground"

print(str) 

ライブラリのインポート

それでは、次に3行目を説明します。

import UIKit

このプログラムは「UIKitというライブラリを読み込むで使えるようにする」という意味です。「ライブラリ」とは、色々なプログラムで共通して利用するプログラムをまとめて簡単に使えるようにしたのもです。Swiftでは、初めからよく使うような機能は初めからライブラリが用意されています。また、フリーのライブラリをダウンロードして、自分のプログラムで使ったりして効率的に開発することもできます。

変数の宣言

5行目では、「str」という名前の「変数」を用意しています。

var str = "Hello, playground"

「変数」は数学などでもでてくる言葉ですが、プログラムでも数学と同じように値(やデータ)の入れ物としての役割を果たします。最初の「var」は「今から新しく変数を使うよ」ということをプログラムに教えるためにつけているものです。これを「(新しく変数を使うことを)宣言する」と言います。varは英語で変数を意味する「variable」の略です。ここでは、「str」という名前の変数を宣言して「”Hello, playground”」という値を入れています。この「変数に値を入れる」ことを代入と言います。これも数学と同じですね。ただし、代入の記号は「=」で、「左から右に代入する」という意味になります。これは数学の「右と左は同じ」という意味とは違うので注意しましょう。(プログラムで右と左が同じことを表すには「==」と=を2つ繋げたものを使います)
また、あとで詳しく説明しますが、変数に初めて具体的に代入することには特別な呼び方があり、「初期化」と言います。

文字列

変数strに代入されている値は「Hello World」という文章です。ブログラムの世界ではいわゆ「文章」のことを1文字1文字が1列に並んでいるデータという意味で「文字列」と呼びます。文字列は英語でいうと「string」なので、変数名にとしてstrがよく使われます。また、文字列は必ず「”(ダブルクォーテーション)」で囲まなければいけません。varのようなプログラムの一部なのか、文字列というデータなのかを区別するためです。

var str = "var str"

上の例では、最初の「var str」は「strという名前の変数を宣言する」というプログラムです。一方、次の「”var str”」は「var strという文字列」です。これは、全く違うものなので注意しましょう。

関数の呼び出し

最後に7行目についてです。ここでは、printという「関数」にstrという「引数」を渡して実行するという処理をしています.

print(str) 

この「関数」というのは数学でいう関数と同じで、「何か値を入れると(入力)、色々な処理をして(処理)、その結果が返ってくる(出力)」という一連の機能に名前をつけたものです。printという名前の関数は、初めから用意されているものの一つです。この関数は「入力されたデータを画面(コンソール)に表示する」という機能を持っています。ここでは、strという変数を入力として渡しています。strにはあらかじめHello playgroundという文字列データが代入されているので、画面下のコンソールに「Hello playground」と表示されます。

まとめ

たった数行のプログラムに、色々な意味があってわけがわからないという人もいるかもしれません。(しかも、ただ真っ黒な画面に文字をだすだけのプログラムなのに!)
ですが、やっていくうちにだんだんと慣れていって、プログラムの独特な考え方や使い方に違和感がなくなっていくだろうと思います。最後に、ここで説明した内容と実際のプログラムを再確認しましょう。

//: Playground - noun: a place where people can play

// UIkitというライブラリをインポートして使えるようにする
import UIKit

// 変数strを宣言してHello, playgroundという文字列を代入する
var str = "Hello, playground"

// 関数printにstrを入力して、strの中身をコンソールに表示する
print(str) 

初めてのSwiftプログラム!

Swiftってなに?

結論から言うと、SwiftとはiPhoneアプリを開発するためのプログラミング言語です。
iPhoneアプリ自体は、実はSwift以外にも「Objective-C」という別のプログラミング言語でも作ることができます。
しかし、Objective-CよりもSwiftの方が簡単にiPhoneアプリを開発できます。
なぜかというと、Swiftの方が新しいプログラミング言語であり、機能的にモダンでわかりやすいだからです。
これから、新しくiPhoneアプリを作りたいという方は、ぜひSwiftにチャレンジしてみてください。

iPhoneアプリを作るには?

iPhoneアプリを作るために知っておく必要がある、とても大事な前提条件が2つあります。
まず一つ目は、「Macで必要」ということです。
Swiftでアプリ開発をするためには、「Xcode」というアプリを開発したりプログラミングをするためのアプリ(統合開発環境/IDEと言います)が必要になります。
この「Xcode」はMacでなければ動きません。Windowsではダメです。
もう一方の条件は、作ったアプリをAppStoreなどで公開するためには「Appleに年会費を払ってデベロッパー登録をする必要がある」ことです。
こちらは、お試しでただ作ってみたいだけの方には関係ないと思います。
しかし、アプリ開発にチャレンジしてみようと思っている人は、作ったアプリをいろんな人に使ってもらいたいと考えていると思うので、結局やはり必要ということになります。
Apple税だと思うしかないですね。

プログラミングに必要なものはどこで入手できる?

実際にプログラミングをしたり、アプリ開発をするには色々なツールや情報が必要です。
ツールの中には、開発するために絶対に必要なものや、必須ではないけど使った方が便利なものもあります。
開発に必須なXcodeはAppStoreからダウンロードできます。
その他の便利ツールは、いきなり色々使おうと思うと大変だと思うので、慣れてきたら徐々に使うようにしていけばいいと思います。
また、プログラムをしていてわからないことがあった場合などには、ネットで調べたりする必要もあります。
ここでは、Apple公式のリンクを載せておきたいと思います。

Swift
Xcode
公式ドキュメント(日本語)

公式ドキュメントは、技術的な文書を読んだことのない方にはとっつきにくいと思います。
ですが、自分の知りたいことをわかりやすく解説してくれているサイトが見つからない時には、やはりこれを見ることになると思います。
基本的なことは、様々なサイトで解説されているので、最初のうちは見る必要なあまりないと思います。

実際にプログラムを始めるには?

AppStoreで「Xcode」で検索し、「Xcode」をインストールしましょう。
インストールが完了したら「Xcode」を起動します。
「Welcome to Xcode」の画面が表示されたら、プロジェクトの選択をします。
プロジェクトは、1つのアプリを開発するための様々なプログラムや画像データなどをまとめて管理するものです。
普通は、1アプリ1プロジェクトで開発すればいいと思います。

項目 説明
Get started with a prayground 簡単にSwiftプログラムをするためのプロジェクトです。
簡単にSwiftプログラムを始めることができるので、プログラミング初心者の方は、とりあえずこれを使ってSwiftを使ってみるといいと思います
Create a new Xcode project iPhoneアプリを開発するためのプロジェクトを新しく作成します
新しくアプリ開発を始める時には、これを選びます
Clone an existing project すでにあるプロジェクトをリポジトリからクローンします。
リポジトリというのはプロジェクトをデータを管理しているものです。これからプログラムを始める!という方には、とりあえず気にしなくていいと思います。

このuSwift入門の連載では、そもそもプログラム初心者の人を対象にしています。
そのため、アプリを作成するための「Create a new Xcode Project」ではなく、
Swiftで簡単にプログラムするための「Get started with a prayground」を選択します。
そうすると、「Choose a template for your new playground」という、
どのテンプレートを利用するかを選ぶ画面がでてきます。
テンプレートというのは、あらかじめ用意されているプログラムの雛形のことです。
ここでは「Blank」という、空のテンプレートを選択します。
あとは適当に名前をつけて保存しましょう。

すると、以下のようなコードが記述された画面がでてきます。

//: Playground - noun: a place where people can play

import UIKit

var str = "Hello, playground" 

このコードに続けて以下のコードを追加します。

print(str) 

全体的には以下のようになります。

//: Playground - noun: a place where people can play

import UIKit

var str = "Hello, playground"

print(str) 

そうすると、画面下に次のような表示がでてくると思います。

Hello, playground 

これが、プログラムの動いた結果の出力になります。
非常にそっけない内容ですが、Swiftの最初のプログラム、いわゆる「Hello World」になります。
たった7行のコードですが、説明の必要な基本的なことがたくさんあります。
このコードの詳細については別記事で説明したいと思います。

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